フリーエンジニアの小松です。みなさんは、若宮正子さんという日本人女性をご存知でしょうか?
最近だとメディアに出演することも多いので、「名前くらいは聞いたことがある」という方もいるかもしれませんね。
ご存知ない方のために紹介しておきますと、若宮正子さんはiOSプログラマーです。80代からプログラミング言語のSwiftを学び、2017年2月23日にアップルストアiOSアプリをリリース。
シンプルな操作性ながらも、半年で作り上げたとは思えないほどのクオリティに世間で話題となりました。
今回は若宮正子さんにフォーカスを当てつつ、年齢関係なく今すぐプログラミングを学ぶべき理由についてお話しして行きます。
目次
きっかけは定年退職した後にパソコンをいじりはじめたこと
若宮正子さんは、1936年生まれ。長年勤め上げたメガバンクを定年退職後、母親の介護をしていたようです。介護につきっきりになることが多かったため、大好きなおしゃべりを続けるにはどうしたらいいか考えていた矢先、雑誌で特集されていたパソコンと出会います。
「これなら自宅にいながらでも、友達とコミュニケーションが取れる!」
そう思った若宮さんは、独学でパソコン操作やネットの接続を学びます。
専門用語が多く、かなり苦労したようですが、諦めずにチャレンジした結果、キーボード操作にも慣れて友人たちとチャットでおしゃべりできるようになりました。
介護するかたわら、空いた時間を使ってパソコンに触れるようにしていた若宮さん。スキルもどんどん上達し、ついにはシニア向けの掲示板サイト「メロウ倶楽部」を立ち上げるまでになっていました。
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円熟世代の生きがいづくりをめざした全国ネット「メロウ倶楽部」
非常にシンプルな作りで、サイトデザインもクラシックではありますが、独学でここまで作り上げるそのチャレンジ精神は素晴らしいですね。
「メロウ倶楽部」では、日々の生活で感じたことをユーザーたちがスレッドを立ち上げてコミュニケーションをとっていたり、サイトを通じて知り合った人たち同士でオフ会を開いていたりしているようです。
なお、現在ではスマホやタブレットに対応するために「メロウ倶楽部」の次世代サイトを製作中とのこと。
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メロウ倶楽部次世代サイト
会員専用ページやFacebookログインなど、現代に合わせたweb技術を取り入れているようなのでこれからの動向に注目ですね。
パソコン版手芸!ExcelArtでシニア向けにPC活用法をレクチャー
メロウ倶楽部を立ち上げてから数年後、介護していた母親が他界してしまいます。一人暮らしになったことで時間ができた若宮さんは、パソコンを通じて自分の人生が変わったことを同世代に伝えるためにシニアPC教室を開講。
そこでよりシニアがPCに興味を持てるようにExcelArt(エクセルアート)を始めます。
ExcelArtとは、セルを塗りつぶしたり罫線と組み合わせることで作り上げるデザインアートのこと。自分がイメージするデザインを作り上げていくと、自然とPC操作が上達するようになっていきます。
ExcelArtをスタートしてからしばらくして、なんとMicrosoft社から「自社のコミュニティウィキでコラムを書いてくれ」とオファーがきます。
これをきっかけに日本のMicrosoftからも講師の依頼が来るようになり、2014年にはTEDに出演。
TEDxTokyo 2014
堂々としたスピーチは世界中のシニアに勇気と希望を与え、拍手喝采のスタンディングオベーションで幕を閉じました。
ちなみに、TED出演後に若宮さんのFacebookに届いた友達リクエストは100通以上だったそうです。
国内はもちろん海外からも申請が届いていたそうで、人とコミュニケーションをとることが大好きな若宮さんにとってはすごく嬉しかったとのこと。
80歳で挑戦したプログラミング言語「swift」でゲームアプリを製作
新しいことに挑戦することが好きな若宮さん。「シニアでも楽しめるゲームを作りたい」と思うようになり、知り合いのエンジニアからSkypeで教えてもらいながらswiftでiOSアプリケーションを作り始めます。
swiftとは、Appleが開発したiOSやMacOS用アプリを作るためのプログラミング言語。
株式会社テセラクト代表であり、ITエンジニアである小泉勝志郎氏によるマンツーマン指導の元、半年かけて「hinadan(ひな壇)」というアプリをリリースしました。
操作方法はすごくシンプルで、12体のひな人形を順序よく正しい位置に並べていくというもの。
「年寄りが若者に勝てるゲームを作ること」をコンセプトとしているため、時間制限もなくゆっくりとプレイできるようになっています。
適当にやってもクリアできるようになっているのですが、ひな祭りの並べ方を知っているおばあちゃんに聞きながら一緒にプレイしても楽しいかもしれませんね。
これからの時代、全ての世代がプログラミングを使いこなすようになる
新しい技術やサービスを敬遠しがちなシニアが多い中で、若宮さんのニュースは同世代に大きな衝撃を与えました。
若宮さんも最初は小泉勝志郎氏に「年寄りが勝てるゲームを作って欲しい」と依頼しただけだったそうですが、「若宮さんが作ったら話題になります」と励まされて挑戦してみることにしたそう。
アプリ作成にあたり、リファクタリングはもちろん、配列すら使っていないそう。プログラマ目線からみると驚きですが、だからこそ半年という短いスパンでリリースできたようです。
また、通常ならアプリを操作するにあたってドラッグ&ドロップが普通ですが、シニア世代は指が震えてしまう人が多いのでタップだけで移動できるようにしたというエピソードも面白いですね。
さらに若宮さんのニュースがきっかけで、各地でシニアモブプログラミングのが開催されるようになったようで、次々とシニアプログラマが誕生しています。
仕事が生きがいだった人が定年退職してからプログラミングをはじめた結果、自分でアプリを作れるようになり、生活にハリが出たという研究結果も出ているとも言われています。
シニアが持つ伝統行事をはじめとした様々な知識と、若い世代が持つITスキル、これを互いに教え合うことで日本らしいIT文化が育つようになるかもしれませんね。
最後に
シニア世代までもがプログラミングを学び始めるこの時代において、20代〜30代の皆さんはまだ今の職場で貧乏生活を続けるのですか?
プログラミングスキルはもはや理系のものではなく、できて当たり前になりつつあります。
早く始めれば始めるほど、吸収力があるのでその分スキルレベルが上がるスピードも早いのです。
- 何から勉強していいかわからない!
- 半年くらいプログラミング経験あるけど、ステップアップするにはどうしよう
このような悩みを抱えている方は、無料相談も受け付けていますので下記のリンクからLINE@に登録してみてください。
これまで私は30人以上未経験からフリーエンジニアを輩出してきた実績があるので、きっとあなたのお役に立てるはずです。
それでは今回はこの辺で。
ありがとうございました。